節約関連本の棚に置かれていましたので読んでみました。
本書の紹介
2016年出版の本書は、カリフォルニア在住のフランス人女性であるベア ジョンソンの著作で、サブタイトルは『ごみを出さないシンプルな暮らし』となっています。
どうやら、1年間に出す4人家族のゴミの量が1リットル弱とのこと。
とても信じられませんね。
では読んでいきたいと思います。
本書を読んでメモしたところ
本書を読んでメモしたものを列記すると
○5つの”R” ①「リフューズ(不必要なものは断る)」、②「リデュース(必要なものを減らす)」、③「リユース(買ったものは繰り返し使う)」、④「リサイクル(①②③ふぁできないものはリサイクルする)」、⑤「ロット(残りは全て堆肥化)」
○大切なのは、自分たちの消費の力が地球環境に及ぼす影響を理解すること、そして、その理解の上に立って行動すること
○リフューズ(不必要なものは断る)
▷使い捨てプラスチック~レジ袋、ペットボトル、ストロー、プラスチックカップと蓋、プラスチック皿など
▷無料グッズ類~ホテルのアメニティ、食べ物の試供品、イベントなどで配られる景品など
▷持続すべきでない慣習~紙のレシート、名刺、過剰包装
○リデュース(必要なもの、断れないものを減らす)
▷ 過去の消費を振り返る~モノをへらすとゼロ・ウェイストが簡単になる
▷これからの消費を抑える~本当に必要?量り売りで変えない?紙媒体が必要?
▷消費に繋がる活動を減らす~テレビショッピングなどに触れる機会を減らす
○リユース(使うもの、断れないもの、減らせないものは繰り返し使う)
▷無駄な消費をなくす~マイバッグ、使い捨て商品は繰り返し使えるものに代える
▷繰り返し使えるもの、詰め替え可能なもの、充電可能なもの、長持ちするものなどを探す
▷必需品の寿命を延ばす~修理して使う、新しい利用方法を考える
○リサイクル(断れないもの、減らせないもの、繰り返し使えないものは資源化)
▷リサイクルは一般的に「再加工」のために貴重なエネルギーを要する
▷まず必要なものを断り、必要なものを減らし、買ったものを繰り返し使えばリサイクルしなければならないものなどほとんど残らない
○ロット(残りは全て堆肥化)
▷ロットとは「腐らせる」の意味で、堆肥化(コンポスト化)を意味する。即ち「有機物のリサイクル」
○生協による宅配(日本)~自然食品店が近くにない地域では、生協による宅配がないか調べてみる
▷通常の通販よりも遥かに簡易な包装で届けて貰える場合が多く、もっと簡易に出来ないか相談もできる
○自分で食料などを育てたり自然採取するのも節約につながるすばらしい方法
○ノーシャンプー~①髪をすすぎ、②重曹を頭皮に振りかけ、③揉み込み、④リンゴ酢ですすいで艶を出し、⑤湯水ですすぐ
○歯磨き粉の作り方~スパイスシェイカーに重奏240ml、ホワイトステビアパウダー小さじ1を入れて混ぜる
○ホワイトビネガー(またはただのお酢)を使うことで不要になるもの
▷シールはがし、バスルームクリーナー、パイプクリーナー、除草剤、虫よけ、カビ取り剤など
○使い捨てのウェットティッシュやスポンジは使わず、雑巾やほうき、スチールたわし、ブラシなどを使う
○ホッチキスは使い捨てなので、代わりにクリップを使う
○寿司のバラン、サンドイッチの旗~つけないように頼む
○便座シート~座らなければいいので、スクワット
○ポップコーンの紙コップ~持参した布袋に入れてもらう
○ごみや無駄づくしのキャンプなんて、自然への敬意を欠くし、非常識だし、そもそも矛盾している
○行動を起こす~1部屋ずつ、先ずは1日、1週間、あるいは1ヶ月だけでも
▷確かに今日という日の手間は増えるが、その努力が未来を良くする。それは未来に投資する時間
○世の中には様々な生き方があり、重要なのは「自分がどうしたいか」
○「ゼロ・ウェイストの親善大使になる」、「声を上げる」、「先頭に立つ」
といった感じです。
感想
全部で350ページを超えるもので読み応えがありました。
そして、読み終えた後、恐る恐る自分の部屋を眺めてみると・・・やっぱり不要なものが多いですね。
例えば、昨年車検をした際、車を受け取りに行ったのですが、後部座席に5個1パックのボックスティッシュが30個ほどギュウギュウに詰め込まれていました。
驚いている私に店員さんは「当店で車検をしていただいたお礼です」との一言。
今でも消費しきれていませんし、何とか消費しようと無駄に使うことにも矛盾がありますね。
さて、感想ですが、途中の子育てやクリスマスなどのイベントに関する箇所については、個人的に関係ないのでスルーしたものの、それでも多くの学びがあったと思います。
現在使用している食器や調理器具の紹介だけでなく、使わなくなった調理器具等とその理由も書かれており、なるほどと思いました。
量り売りで購入するのが良いと何度も繰り返されていますが、店舗自体が少ない田舎では厳しいかも。
お肉なら精肉店に行って、保存容器を持参してそれに入れてもらうということも可能でしょうが、私が暮らす住む地区には精肉店もスーパー内の対面販売スタイルの精肉コーナーもなかった気がします。
生協は同じアパートの人が利用しているようですが、果たしてお値段はどうでしょう。
あまり高いと手が出ませんが、今度調べてみましょう。
便座シートは使わずにスクワットというのは笑えました。他人が座った便座が嫌でスクワット(空気椅子)をしている人がいるようですが、ゼロ・ウェイストに貢献していたとは!
感想は以上です。
上記メモには書いていない有益な情報が多く盛り込まれていたので、できることから実践したいと思います。
なお、本書の107ページに掲載された、2015年に著者の家族4人が1年間で出したごみの写真が衝撃的でした。
本当にこれだけ?って量です。
量り売りが無いので瓶入りの商品を購入しているものがあるという文があるのですが、その瓶は?
ちなみに、最後の訳者によるあとがきも日本やカルフォルニアの現状が面白かったです。
おそらく、皆さんにとっても考え、行動すべきテーマだと思いますので、ぜひ読んでみてほしいと思った本でした。
ちなみに著者は本書のタイトルと同じ『ZERO WASTE HOME』というウェブページを開設しています。
そこには書籍や講演会の紹介、また、ゼロ・ウェイストにつながるTips も記載されています。
さらには、「STORE」という形で、著者が普段使用しているアイテムの紹介とアマゾンへのリンクが。
「どうして物を減らせと提唱しているのに商品を売ろうとするのか」という疑問が生じますが、該当ページのトップには自問自答形式の記載があります。
そして、その回答として「これらの品がいずれも無駄を排除するためのアイテムであること。この販売で得たアフィリエイト収益は世界中のBulkFinderの開発・運営資金に回されること」と記されていました。
グーグル翻訳なので微妙な翻訳なのですが、おそらく、掲示された商品は全て無駄を省くために使えるもので、販売で得た収益はBulkFinder(たぶん、量り売りのお店の場所を調べてくれるサイト)の開発費などに一部か全部が充てられるということではないでしょうか。
『ZERO WASTE HOME』のホームページに、 BulkFinder へのリンクがあり、クリックするとマップが開いて、店名と所在地を示すアイコンが表示されました。
日本にもこういったサイトがあって充実すれば、ゼロ・ウェイストにも取り組みやすくなるでしょうね。
(追記的なもの) テレビでも紹介されていました!
11月6日に放映された『世界一受けたい授業』でも本書が取り上げられましたね。
後日、TVerで視聴したのですが、著者だけでなく翻訳者の方も取り上げられていました。
コロナ禍でなければ著者を日本に招待して内容の紹介をさせるのでしょうが、今回は著者よりもむしろ日本人である翻訳者の日本での生活にスポットライトを当てており、かえって日本人により響く構成になっている感じでした。
さらに、日本が使い捨てプラスチック消費量で世界ワースト2位などの、日本で製作された番組ならではのデータの紹介があり、新たな知識を得ることが出来る内容で、役に立ちましたね。
私がこの記事を書いたのは放映前で、この記事も以外にもストックがあったので、それらをアップした後にこの記事をアップするつもりだったのですが、アップを早めました。(もっているというか、もってないというか・・・)
この記事の中で、本書の107ページに掲載された写真を見てほしいと書いていましたが、その写真も放映されていました。
人気番組で取り上げられたので、多くの人がゼロ・ウェイスの精神を理解し、今出来ることだけでも実践してくれることを期待します!
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