もう「〇〇充」という言葉は死語になっているようですね。
使ったことはありませんが。
本書のご紹介
本書の著者は島田裕巳さんです。
著者紹介欄には宗教学者、作家となっています。
公式ホームページにある顔写真を見ると、何度かテレビで見掛けた気がします。
さて、本書ですがタイトルからお金がなくても充実した人生を送ることができる、送ろうというメッセージが込められている気がしますが、宗教学者がどのような観点で論じてくれるのか楽しみです。
本書を読んで参考になった箇所
本書を読んで、参考になると思ってメモした箇所を抜粋すると
○稼げば稼ぐほど、お金に対する執着や欲望、不安感は増すもの
○貧しいからこそ充実した生活が送れる
○現代は、年収300万円しか稼がないことで、むしろ楽しく幸せに生きていける
○年収300万円の仕事なら転職がしやすく、心に余裕を生む
○住宅ローンも自動車ローンも組んでいはいけない。ローンは借金。賃貸の方が良い
○稼ぐために多くの時間を費やし、本当の人間関係を構築できないのは怖いこと
○良い人間関係を持てれば、お金がなくても幸せで豊かに生きていける
○就職先~プア充を目指すならベンチャーでなく、競争とは無縁で安定した「古くてダサい会社」
○仕事はお金を稼ぐ手段であり、そこにやりがいを見出す必要はない
○経験やスキルがないのに高収入の仕事を選べば、時間や健康を失うことになる
○禁欲は大切~禁欲するからこそ、たまに行うハレの行事が楽しいものとなる
○プア充生活3つのポイント~「外食をしない」「規則正しい生活をする」「ストレスを溜めない」
○孤独死を恐れる人、お金がない人こそ結婚して子どもを育てるべき
○「人に迷惑を掛けるな」は現代の妄想。迷惑を掛け合うことで人間関係が構築されていく
○プア充生活では大きなお金が必要になることはほとんどなく、無理して貯金する必要はない
○未来のことを心配しすぎてストレスをためないこと。孤独死も怖くない
といった感じです。
本書を読んだ感想
宗教学というものには全く馴染みがありませんが、資本主義や現代社会の問題点を宗教学的アプローチで分析していく内容だと思っていました。
しかし本書は、高収入の仕事に忙殺され、心も体も満たされずに自分を見失っている主人公が、仕事に失敗し、やがて仕事を失うタイミングでかつての恩師と再会するとともに、恩師が提唱する「プア充」という生活スタイルを知ることでその後の人生が大きく変わっていくというストーリー仕立てになっていました。
男性の場合、低収入の人ほど結婚できないというデータがあるそうで、ネット調べでは妥協ラインは年収400万円とのことです。
女性にしてみれば、子育てなどを考えて高収入の男を求める気持ちも当然ですね。
本書で、「子育てはそれほどお金は掛からない」と述べられていますが、実際はどうなんでしょう。
未体験の領域なので判断できません。
同じく本書では、年収300万円でも共働きなら600万円なので、十分暮らしていけるとのこと。
本書の主人公と同様、理解力のあるパートナーが必要なんでしょうね。
あと、大金を持つと欲望も高まり生活が不安定になるみたいなことが述べられ、その例として宝くじで高額当選した人が例として挙げられています。
実際、いきなり大金を得て歯止めが効かなくなり、あっという間に使い切って自己破産までしたという話も聞きますが、大金を得てより良い生活を得て幸せになった人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、あとがきで著者も大学を辞めてから年収が200万円もなかった年があったそうです。
でも、おそらく極めて短い期間でしょう。
その後は年収300万円というプア充レベルよりもずっと稼いで豊かな生活を送っているはずです。
なので、各メディアで活躍する森永卓郎氏が『年収200万円でもたのしく暮らせます』というタイトルの本を出しているように、本書も「私自身がずっと実践してきた訳ではないし、実践するつもりもないけれど、論理上はこんな生活スタイルも可能ではないでしょうか」という、ひとつの提案と受け止めるべきだと感じました。
本書からの学びをどう活かすか
プア充生活を満たすための3つのポイントとして、「外食をしない」「規則正しい生活をする」「ストレスを溜めない」 が挙げられていましたが、外食をしないという点だけ実践できています。
晩酌のために熟睡できず、生活リズミムは不安定で、ストレスも溜まりがちです。
この点は早急に改善しようと思います。
あと、人間関係の構築は今のところ必要としていませんね。
なので孤独死への不安とも一生付き合うことになりそうです。
貯金に関しても確実に減ってきている現実に恐怖していますし、開き直る度胸はないので、競争などと無縁の良いアルバイトを探したいものです。
こちらは森永卓郎さんの著書です。以前は300万円だったのが200万円まで下がりましたね。次は150万円になるのでしょうか。あくまで論理上の話という点を忘れてはいけません。
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