【セミリタイア生活と読書】阿部絢子『おひとりさまの老後を楽しむ処方箋』を読んで

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 副題に「年金5万円でもしあわせ生活!」とあり、かなり気になります。

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本書のご紹介

 本書の著者は阿部絢子さんです。
 1945年生まれということなので、今年で77歳でしょうか。

 薬剤師の資格をお持ちで、洗剤メーカーで勤務した他、百貨店の消費者相談室、薬剤師として薬局での勤務などをしてこられた模様。

 ウェブページも見ましたが、著書も20冊以上あるようです。

 どうやら結婚歴はなく、ずっとおひとりさまのようなので、個人的にも参考になりそうです。

本書を読んでメモしたところ

 本書を読み、参考になると思ってメモした箇所を抜粋すると

 ○先のことはわからないから、不安をなくすことはできないけれど、小さくすることはできる
  ▷それは『不安の正体』を見定めること。逃げずに近づいてみると「不安」は少しずつ小さくなる

 ○「自分で考えて決断したこと」なら、失敗しても誰のせいでもないから許せる

 ○ひとりでもたのしく暮らす3つのステップ
  ▷問題点をえぐり出すための「書き出す」作業~何が不安?不満?不便?どうしてそう感じる?
  ▷あとで後悔しないために、必ず「自分で決める」こと~何を1番したい?何を優先すべき?
  ▷先延ばしにしない、人を当てにしないで、「自分で動く」こと~やりたいことは全部やる!

 ○シンプルなインテリアはラク&きれいの基本~掃除が億劫にならない環境づくり
 ○照明のカバー~ホコリや虫の死骸がたまるので、はずす
 ○「いる」「いらない」は即決断~この決断は日々の仕事であり、モノを溜め込まない
 ○肉、魚、野菜があるうちは買い物に行かない。残り物がある場合は料理をせずそれを消費する

 ○ひとり晩酌を楽しむコツは、おいしいものとおいしいお酒で、ひとり飲みを贅沢な時間にすること
 ○つまみはわざわざ作らなくても、お昼の残り物や常備菜を小さめの洒落た器に盛れば極上の酒席に

 ○余分な食材は場所をとり、ひとり暮らしだと同じものばかり食べることになるので、買いだめはしない
 ○副菜は多めに作って、残ったものを常備菜とする

 ○貯金の切り崩しは最後の最後。働くという選択肢も考慮する
 ○助けて欲しいと思わず、自分で何とかしてみる
 ○いつまでも今のままではないと、未来の暮らしを考えてみる~施設への入所など(自分だけでなく親も)

 ○お金の心配などもいいが、まずしっかり眠ることが、ひとりの老後を楽しく過ごすために、案外重要なこと
 ○お酒は大きな楽しみ。いい飲み方を続けるのが目標

 ○エコはシンプルライフの基本
  ▷「早寝早起き」「歩くこと」「ガーデニング」などですぐにエコ暮らしをすることができる
 ○年齢に見合った体調との付き合い~健康状態もほどほどでいい

 ○ひとりのエンディングに向け、伝えたいことを「願い書」に記しておく
  ▷権利書や契約書などの書類をまとめてファイルに入れ、そのことや置き場所を近親者に伝える

 ○気持ちがへたったら、楽しいことを考える。過去を振り返り困難を克服してきたことを思い出す

という感じです。

本書を読んだ感想

 学びが多かったです。
 既に十分な資産を蓄えている文化人や学者の言葉よりもより身近であり、心にもよく響きました。

 著者はとにかく前向きでパワフルという印象。
 私なんて20年余り仕事しただけでくたびれてしまい、今は半ば家に引きこもっている状態なのに、著者は60歳を過ぎても70歳を過ぎても働くことに積極的であり、さらにボランティア活動や海外でのホームステイ生活にも力を入れています。

 本当に頭が下がりますし、自堕落な生活を送っている自分を反省しました。

 年金5万円というのは、深く考えずに受給を60歳からに繰り上げたために受給額が減り、さらに国民健康保険の医療分などが引かれたことによる額とのこと。

 しかし、ずっと働いてきているので、預貯金は結構貯まっている気がするのですが、どうでしょう。

 本書でも紹介されていますが、とある日の昼ご飯は「雑穀ご飯、えぼ鯛の焼き魚、ぜんまいの煮物、せりのおひたし、鶏肉・れんこん・きゅうりのマヨネーズ和え、残り野菜を刻んで作った中華風スープ、、漬け物」というレベルですからね(本記事トップの表紙の写真にも載っています)。

 まあ、毎日これだけ充実した健康的な食事をすれば食費も掛かるでしょうし、その分、お金を稼がなくてはならず、貯蓄にそれほど回せないのかもしれません。

 とにかく、老いを受け入れつつ、必要以上に怯えることなく、生活リズムや住環境を整えて日々を楽しく過ごしている生き方に感動しました。

さいごに

 ただ読んで感動しているだけでは駄目ですね。
 自分の生活にフィードバックしなければなりません。

 歳を重ねるとともにどうしても健康状態や資産のことばかりで頭がいっぱいになり、しかもネガティブな方向に走ってしまいます。

 しかし、老いは今後もどんどん進みますし、その前に年老いた両親の問題もあるので、ふさぎ込んでいても始まりません。

 著者を見習い、「やるだけやってやろう、あとは何とかなるさ」くらいの気持ちで、残りの人生を明るく元気で楽しみたいと思います。

 調べたところ、私が通っている図書館には阿部絢子さんの作品があと幾つかあるようなので、また近日中に借りて読んでみます。

 

 アパート暮らしも気楽ですが、好きに手を加えることができるマイホームも魅力的ですね。同じ著者のこの作品などいかがでしょう。

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