退職を機に長年暮らしてきた地元を出て引っ越したので、周囲の人については顔も名前も分かりません。
かなりの田舎ですが、だからといってみんな良い人だとは限りませんし、労働実習生の外国人も多数います。
独り静かに暮らしたいのですが、民間アパートで暮らし、街なかで生活を送る以上、何かしらのトラブルに巻き込まれる可能性はゼロとは言えません。
巻き込まれて困る前に勉強です。
本書の紹介
本書は、弁護士法人淀屋橋法律事務所により著されたもので、副題が『あらゆるトラブル、もめごとの賢明な対処のために』となっています。
初版は平成11年、本書は改訂新版でその発行は平成27年です。
本書を読んでメモしたところ
本書を読んでメモした箇所を列記すると
○交渉においては、礼儀はあっても上下関係はなく、スタンスは対等・平等でなければならない
○事実の把握~5W1Hの特定
○記録、メモの重要性~面談の結果はもとより、電話、連絡その他すべての経過を記録する。ここでも5W1Hを特定する
○情の会話と理の会話~情の会話は喜怒哀楽の感情の表現が中心で相手に共感を求めるもの、理の会話は事実の伝達、意思の表示
▷相手が情の会話の域にある時に、こちらが理の会話で事実を伝えても正確には伝わらない
○文書の利用~話し合ったら正確な議事録を作り、相手にも送付する、重要な提案は文書でする
○電話があっても出る必要はなく、訪問があっても退去を要求することができる。押し入ったり居座れば住居侵入や不退去罪が成立
○帰らせないと言われても帰る行動を取ること。それを相手が物理的に制止したら逮捕、監禁罪となり、それから作られた文書は全て無効
○(NHKなどの訪問に対して)初めから家に入れないことができるので、家の中から「お帰りください」と告げ、帰らない場合は不退去罪として警察に連絡する
○『送りつけ商法』~14日の保管義務はある。業者から連絡があれば契約には承諾しない旨を伝える。
▷「それなら商品を送り返せ」と言われても「返送義務」はないので、相手の方から引取りに来ない限り、14日経過後は自由に処分していい(引取りを請求して7日を経過するまでに業者が引取りにこなければ処分可能)。さらにこちらから保管費用の請求も行える。
○送りつけ商法の商品を家族が勝手に使ってしまった場合、引取り請求から7日ないし商品送付から14日が経過しているなら請求権は消滅しているので、代金を支払う必要はない
▷仮に7日ないし14日が経過していない時に引取りに来て、そこで「開封したから価値がなくなってしまった」「裁判する」などと言って支払いを求めてきても、現物をそのまま返せば十分
○勝手に送りつけられた商品の代金を家族が支払った場合は、業者に代金の返還を求めること。
▷支払いをクレジットでしていたらすぐにクレジット会社にも通知すること(クーリングオフ期間内ならクレジットの支払い義務が消滅する)
○スーパーで万引と疑われた客が慰謝料を請求した場合、その精神的被害に対しては相応の謝罪と賠償が必要になる。
▷疑われた客が怪しまれる行動などとっておらず何の落ち度がない場合は、数万円程度が適当な賠償額
▷疑っただけでなく衣服の下まで身体検査をした場合でも賠償額としては10万円程度が限度
○老朽化で立て直すからビルから立ち退くよう要求された場合、拒否することや十分な保証金を要求することができる
○ビルの家主から立ち退きの要求があり拒否したら鍵を取り替えられた場合、警察に被害届や告訴をし、損害賠償も請求する
○落とし物を拾った人がお礼を請求できるのは、「物件の価格の5~20%」
▷よって、拾ったカバンに入っていた現金が数万円だけであっても、高級腕時計などが入っていれば、それを考慮して額を決めることとなる(ただし20%の請求を認めた判例はないので5~10%程度が適当かも)
○ネットの掲示板で実名や勤務先名の他、誹謗中傷の噂話を書き込まれた場合、プロバイダ、サーバの管理・運営者に削除を養成し、名誉毀損で刑事民事の責任追及ができる
といった感じです。
感想
本書では色んなケースの言いがかりなどの想定例が用意されており、上記のメモは私が個人的に関係があると思われるものだけを抜粋したものになります。
今の時代、録音と録画は必須ですね。
クーリングオフ制度もしっかり理解しておいたほうが良さそうです。
情の会話と理の会話の部分は、さすが弁護士だと思いました。どうしてもすぐに感情が高ぶってしまうのでその点は注意しようと思います。
あと、万引を疑ってしまった客への店側の対応について書かれていましたが、私の場合は疑われる方のお客側。
ヒゲボーボー、だらしない服装で買い物しているので、いつも保安員にマークされている気がしますが、上手く(?)誤解されたら数万円をゲットできそうです。
あと、落とし物を拾うことが出来たら結構な実入りとなりそう。
これからは下を向いて歩くことにします。
最後に、散歩中の犬に噛まれるケースですが、これが一番可能性が高い気がします。
朝の散歩中、犬を連れて散歩をしている人も多いのですが、皆さんちゃんと犬にリードを付けているものの、お年寄りの人が多いため犬の力に負けて、犬が私の直近まで近付いて吠え立てるということが何度もありました。
治療費をもらえるとしても、飼い主の全てが犬に狂犬病予防の注射を打たせているとも限りませんし、噛まれると痛そうなので、こちらから近寄らないようにするなどの対策が必要ですね。
なお、本書の巻末には、クレームへの回答文書、示談書、クーリングオフの通知書などの記載例があり、これは役に立ちそうです。
何もトラブルが無いのが一番ですが、いつ自分がトラブルに巻き込まれるか分からない以上、必要最低限の知識は身につけておいたほうが良いと思います。
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