先日紹介した『れんげ荘』シリーズの第2作を読みましので、読後の感想などを記します。
作品の概要
アマゾンでの紹介文は以下のとおりです。
こんな私に親切にしてくれてありがとう――四十八歳になったキョウコは、まだ「れんげ荘」に
住んでいた。相変わらず貯金生活者で、月々十万円の生活費で暮らしている。普段は散歩に読書に
刺繍、そして時々住人のクマガイさんらとおしゃべり――そんな中、「れんげ荘」にスタイル抜群
の若い女性がリヤカーを引いてやってきた!悩みも色々あるけれど、おだやかに流れる時を愛おしみ
ながら、ささやかな幸せを大切に生きる、ロングセラー「れんげ荘」待望の第二弾。
前作ではキョウコは45歳でしたから、その3年後の物語になりますね。
3年後のキョウコは? れんげ荘での生活は?
母親や仕事からの束縛から自由となったキョウコですが、やはり長年キョウコの心や人生を縛って
きたものですから、完全に吹っ切れてはいません。
会社はともかく、母親はいくつになっても母親ですから。
母親もキョウコの苦悩など理解できぬまま、キョウコの存在自体を頭の中で消し去ろうとしているかに
見えます。
キョウコの兄やその娘もキョウコに同情してくれますが、果たして母娘の仲は修復される時が来るので
しょうか。
その一方で、キョウコは自分には何も誇れるものがないとの自己嫌悪に陥りつつ、新たな趣味として
刺繍を始めます。
細かい作業で目がひどく疲れるようであり、集中力や体力など落ちてきているキョウコにとっては
思った以上に大変ですが、友人や新たなれんげ荘の住人たちの助力もあって、少しずつでも作業を
進めることができています。
周囲の人たちと、互いに相手に深入りせずに一定の距離は保ちつつ、良い関係を築けていることが
重要ですね。
私の場合、隣人たちの名前も職業も知らないので羨ましい気がします。
と言いながら、互いに素性を全く知らないのも非常に気楽で良いものだと感じているのですが。
なお、管理人さんが相変わらずいい人で、キョウコの部屋には網戸だけでなく、クーラーまで
つくようになっており、新たに刺繍を始めたキョウコの部屋がどれだけ良い感じになるのか
とても楽しみです。
読了後の感想
○実際に役所からの問い合わせなどあるの?
キョウコのもとに市役所職員から電話があり、面接を求められます。
結果として、まだ十分働ける年齢、健康状態なのに働かずにいることに関する調査でした。
私も国民年金などを免除してもらっていますが、税収があっての国民年金、国民健康保険であるため
役所が働いていない健康な者に働いてもらおうと考えるのは当然でしょう。
確かに勤労は国民の義務だと教わりましたし理解していますが、果たしていつまで勤労の義務が
生じるのでしょうか。
年齢? 貯金額?
普通に考えると、一般的に定年とされている60歳から65歳くらいまでは働くことが求められている
気がしますが、それより前に働かないでいることは許されないのでしょうか。
結局、キョウコや市役所職員に対してちょっとキレた感じで自分の考えを主張しましたが、
果たして私のところにも役所から電話があるのか楽しみです。
○図書館は(セミ)リタイヤした人にとってのオアシス
キュウコは最初、図書館で老人男性にナンパされたショックで図書館から距離を置きましたが
その後、再び図書館を活用するになりました。
私も週に数回は図書館に通って本を借りています。
建物自体はきれいなのですが、田舎であるため蔵書の数はそれほど多くありません。
ただ、自習室もありますし、新聞も各紙読むことができます。
雑誌も多くはありませんが、1年間のバックナンバーも揃っていたりしてとても助かっています。
○カード払いよりも現金払い?
現金払いのほうがすっきりしてて良いというキョウコの考えに触れられていますが、どうでしょう?
そういう考えもありますが、私の場合は厳選したカードを集中して利用するのがベストだと
現時点では考えています(楽天経済圏の住民ですし)。
読了後の感想
震災もあり、人との絆の大切さをキョウコは感じていますが、やはり人はひとりでは生きて
いけないということでしょう。
れんげ荘の住人たちや兄とその家族との心温まる交流を描きながら、一方で母親との終わりの見えない
確執も続いており、他人とうまく生きていくのは難しいと考えさせられます。
また、相変わらずキョウコは月10万円の生活を送り続けており、セミリタイヤ生活を送り始めた自分には
今後キョウコの生活や考えがどう変化するのか、変化しないのか注目しています。
とりあえず、シリーズ3作目は図書館から借りてきたのですが、4作目は他の人に借り上げられていました。
下手すると2週間ほど戻ってこない可能性があるので、手元の3作目をすぐに読むか迷っています。