個人的な読書感想です。
この本について
今回紹介する『なぜイギリス人は貯金500万円で幸せにくらせるのか?』は、2016年に出版された井形慶子さんの著書となります。
メモしたところ
この本でメモした箇所を列記すると
○ 45歳以上のイギリス人で、預金が140万円未満の割合は40%強
○ 独居老人への看護用ベッド、車椅子などの貸し出し費用は全て国が負担
○ フルタイムの介護が必要となった場合、預金・年金の額が約300万円以下なら全てのサービスが無料となるが、約500万円以上なら全額自己負担となる
○ 狩猟民族である欧米人は、『貯める』のではなく、『得る、買う』を優先する
○ イギリスで一番良い老後はやたらと貯金を持っていないことが前提
○ 所持金が200万円以下になっても国から生活保護を受けて生活できる
○ 生活の苦しいイギリス人の大半は、老後になるとためらいなく自分から生活保護の申請をする
○ その時、家や車を持っていても問題なく、市民税などの税金の支払いも免除され、いよいよとなれば無料で老人ホームに入ることができる
○ 生活保護は権利意識の強いイギリスで老後を生きる選択肢の1つとなっている
○ リタイアの達人に学ぶ老後を幸せにする7つの習慣
1 住まい~生活する楽しみがあるかどうかで居住地を決める
2 生活道具~家具や道具は『おさがり』『使い込んだもの』で十分
3 地域生活~楽しめるボランティアを細く長く
4 食~畑仕事で薬いらず、健康を維持する (5以降は個人的に参考とならず)
○ 家族より老後を助け合う友を持つ
○ アンティークの食器やコインが預金より老後を守る
○ イギリスでは老後の三大不安要素『介護』『医療』『お金』への考え方が日本と異なる
介護~子どもが背負わない。プロがサポートする施設に入る
医療~医療費は基本ゼロ。病気になっても持ち出しがない
お金~自分で使い切る。できるだけ長く働くもしくは生活保護を受給する
○ 多くのイギリス人は年とともに住まいをコンパクトにし、管理しやすいコンパクトハウスに移り住む
○ フリーパスバス(60代からバス代無料)、住宅補助(家賃や住宅ローンが補助)、医療費無用に加えて薬代も60代から無料となるという制度がある
○ 老人ホーム入所は年間700~1000万円ほど掛かるが、自立生活ができず預金や資産がなければ国が負担してくれる。
○ 半端にお金を持っていると全て自己負担となる
○ 子どもに残そうとお金を貯めるのはリスクがある
といった感じです。
感想
外国の話なので直接関係がある訳ではありませんが、他国の制度を知ることも役に立つと思います。
下手に貯めると全部自己負担、逆にほとんど資産・財産がなければ国が面倒を見るというシステムには魅力を感じました。
日本では生活保護を受けるのは恥ずかしいし、受給のための審査も厳しそうというイメージがありますが、イギリスの人は当然の権利とみなしているのですね。
本書では、ある程度の年齢に達したら持っている財産等を寄付などして身軽となり、生活保護を受けたり、老人ホームに入所する人たちの紹介が為されていましたが、潔さを感じました。
ただ、羨ましがってばかりでは何も始まりません。
結局日本で生活を送り続ける以上、日本の制度下で老後の生活を送らなくてはならないのです。
日本にも生活保護の制度があり、必要なら検討はするでしょうが、やはり最後の手段でしょうね。
となると、家庭のない身としては最後に頼りになるのはお金でしょうか。
ただ、肝心のお金も、不景気だったり親兄弟の介護などで今後、大幅に減少する可能性を否定できません。
自分が年老いて医療費や介護費が必要な身になった時には既にお金がないなんてことも十分にあり得るわけです。
不安も募りますが、とりあえずは日々の生活を楽しみながら健康管理を徹底し、節約生活を続けることが大切だと改めて感じました。
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