登山家でも山岳ガイドでもない、カメラマンによる本です。
どのような視点で山を語るのでしょうか。
本書のご案内
本書の著者は伊賀孝さんです。
独学で写真を始めたそうで、格闘技(ブラジリアン柔術)もされているみたいですね。
ご自身のホームページ(?)の他、SNS関連では、インスタグラムやツイッター、フェイスブックもあるようです。
本書を読んだ感想
最初に紹介される山は大日岳。
大峰奥駆道にある山で、修験道の行者が修行をしているそうですが、実は私もこの大峯奥駈道に挑戦したいと思っていました。
ただ、高所恐怖症がひどくなってきている今の私には無理な気がして実行に移せていません。
要は覚悟、本書で言う「諦観」の境地に至ることができるかどうかでしょうね。
でも、修行中の人が鎖場で基本となる3点確保を行って滑落防止に努めていたところ、それでは修行にならない、捨身行だから全体重を鎖に預けろと叱られたという描写は面白かったです。
また、本書を読んで利尻岳に登ってみたくなりました。
夏の低山に登る人は多いですが、私は好きではありません。
人混みも嫌なのですが、何よりもたかってくる虫たちが嫌いなんです。
防虫スプレーを振ってもすぐに汗で流れてほとんど効果はありませんし。
でも利尻岳は夏でも虫がほとんどいないそうで、熊や猪、蛇もいないとのこと。
著者のようにそれをつまらないと感じる人もいるでしょうが、私には最高の山です。
夏場の利尻岳、いつか登ろうと思います。
屋久島のモッチョム岳にも登りたいですね。
宮之浦岳には2回登っているのに、モッチョム岳は毎回見るだけで終わっていたのでちょっと後悔しています。
高尾山も気になります。
テレビでよく取り扱われており、いろんな楽しみを味わえる山という印象です。
最後、富士山の章で、著者がかつて滑落した様子が語られています。
いつ、どの山でのことなのかは伏せられていますが、やはり山は死と隣り合わせなのだと痛感しました。
どんな低山であっても、恐怖心を忘れないことが登山には重要だと再確認もできました。
なお、本書には多くの写真が掲載されています。
どれも荘厳で美しいものばかりです。
ただ、見開きの形なので、どうしても中央が変な感じになってしまいます。
この手の写真は、ちゃんとした写真集で味わいたいです。
さいごに
ちょうどこの記事を書いている時、鳥取県の大山で遭難者の捜索が行われているようです。
積雪が2メートルほどあるようで、捜索も困難でしょうが、無事に生還されることを祈っています。
自己責任だ、捜索隊の人たちに迷惑を掛けるななど、遭難した人への批判コメントも多々出るのでしょうが、それは重く受け止めなくてはなりませんね。(後に亡くなっているところを発見されたようです。ご冥福をお祈りします。)
私も山行記事をたまに書いていますが、山の美しさ、素晴らしさとともに厳しさや怖さもちゃんと伝えたいと思います。
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