かつて、脚本家に憧れたときがありました。
本書のご紹介
本書の著者は尾崎将也さんです。
尾崎さんといえば、私の世代では、『Age,35 恋しくて』、『ラブジェネレーション』、『結婚できない男』など数々のヒット作を生み出した最高レベルの脚本家ですね。
個人的には、阿部寛さん、夏川結衣さん主演の『結婚できない男』がベストです。
本書を読んだ感想
本書を読んで感じたことを列記すると
○P/PCバランス~Pは成果(脚本の場合、作品)、PCは目標達成能力(脳内の脚本を書く能力)
▷ついPにばかり目が行ってしまうが、PCを疎かにしない
▷畑(PC=脳内の脚本を書く能力)が良くないと、良い作物(P=作品)ができない
○「とりあえず観るべき名作映画100本」
▷面白い映画を分析し、結果を蓄積する~公式めいたものを導き出せたら他に応用できる
▷公式化したものを1件1枚でカードにしていき、溜まったら「セリフ」「キャラクター」「ストーリー」「構成」「小道具」などに分類してファイル化する
○構成表=逆バコ(ハコ書きの逆)を作り、分析する
▷シーンごと「場所はどこ、誰が何をする」と1行でまとめ、書いていく(全体の流れが分かるように張り合わせた紙に書いていく)
▷10分刻みで印をつけて、時間の流れをつかみやすくする
○人間観察~自他ともに、しっかりと認識、正しく解釈する
○ストーリー構成~「人物紹介」「状況設定(ストーリーの始まり)」「展開」「盛り上がり」「クライマックス」「結末」
○プロに求められるのは、WHATよりHOW、ただしコンクールではWHATも要求される
といったところでしょうか。
上記のメモは本書の第3章までのものです。
4章以降は、プロになるための方法や企画が生まれるまで、プロット・ト書き・セリフ・ハコ書きなどについて解説されています。
私が個人的に大好きな『結婚できない男』も取り上げられており、楽しめました。
おわりに
脚本家に憧れた時期もありましたが、憧れで終わってしまいました。
本書でも「脚本の教室では、脚本家という職業への憧れはあるものの、いざ脚本を書こうとすると人間にさほど興味がないことが露呈してしまう人がいます」とあり、まさに私がそれでした。
他人どころか自分自身にも特に興味がないんです。
私が結婚できなかったのもそれが大きな原因でしょう。
まあ、個人的なことは別として、脚本家を目指す方は本書を読んでおいて損はまったくありません。
まったく下積みのない方は、本書で提案されている名作映画の分析などを死ぬ気で3年間やってみてはどうでしょう。
例え3年後に芽が出ないとしても、人との接し方、物の見方、考え方などがプラスの方に大きく成長すると思いますし、決して時間の無駄にはならないと思います。
とても分かりやすい本でした。
個人的ナンバーワンのドラマは野沢尚さんの『青い鳥』です。
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