氏の小説を読みたくなりました。
本書と著者のご紹介
本書の著者は田中慎弥さん。
芥川賞を受賞されていたのは知っていたのですが、著者紹介欄を見ると、新潮新人賞。川端康成文学賞、三島由紀夫賞、泉鏡花文学賞など錚々たる受賞歴のある方でした。
私は文学賞のことなど全く知らない素人ですが、それでもすごい方だと分かります。
本書(キンドル版)です。
本書を読んだ感想
今回、初めて著者が作家になるまでの生い立ちなどについて知ることになったのですが、高校卒業後、15年ほど家に引きこもり状態だったのですね。
ただ、その間を無為に過ごさなかったのがただの引きこもりとは違っていました。
実家で家族に全面的に支えられながら、規則正しい生活を送り、本を読み込み、また創作をずっと続けていたそうです。
普通なら体たらくな生活を送って周囲をも巻き込んで身を滅ぼすパターンでしょうが、著者は「作家になれたらいいな」という思いをずっと持ち続けて、日々執筆活動を続けていました。
作家にならなくては!という使命感や強迫観念、作家になれなかったらどうしようという不安ではなく、なれたらいいなという前向きな希望を保持できたのが良かったのでしょうね。
「臆病になっても、継続さえできていればいい。肝心なのは、継続と、その先にある実現なのですから、あえて不安を払拭しようとする必要はどこにもないのです。」
「自分の目指すところが定まり、そこにたどりつくために費やした手間隙は、ひとつたりとも無駄にはならない。」
という、著者の言葉はとても力強く感じます。
また、その夢に向かって
「1日1回、机の前に座る」
ということを自分に課し、ひたすら実行に移してきた執念こそ、やがて実を結ぶ原動力となったはずです。
さらに、著者は
「肩書とは、ぶら下げるものであって、ぶら下がるものではない。あなたを高める道標です。」
「アマチュアと作家の決定的な違いは、当たり前なのですが、執筆で収入を得るかどうかという点です。」
と語りますが、読んでて息苦しくなりました。
私はこのブログで収益を得て生活することを目標にやっていますが、今のところ得た収益はゼロです。
つまり、プロブロガーではなく、アマチュアブロガーでしかありません。
このブログが3年目で、それ以前のブログを含めればもう10年以上もブログを運営しているのにずっとアマチュアのままということです。
これでは駄目です。
このままでは駄目です。
おわりに
タイトルにあるよう、本書では孤独であることについても語られています。
まあ、孤独に関しては、6章ある内の1章だけ触れてあり、孤独論というよりもっと幅広い人生論について語られている感じです。
本書を読み、プロとしての覚悟の重要性を学ぶことができました。
これを機に今いちど、自分の仕事、お金を稼ぐためであることも事実であり重要ですが、自己を形成するための手段としての仕事(私の場合、ブログを書くこと)について考えを改めたいと思います。
本書(キンドル版)です。
芥川賞受賞作です。
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