教科書以外で芥川賞受賞作品なんて読むのは初めてかもしれません。
本書のご紹介
本書の著者である西村賢太さんに関しては、以前、『一私小説書きの日乗 野性の章』を本ブログで紹介しています。
そして、西村さんの名前を一躍有名にした本書を読まないわけにはいかなかったので、読むことにしました。
本書のキンドル版です。
本書を読んだ感想
中学校卒業後、日雇い人足の苦役で日当を稼ぎ、家賃は滞納し、食事も乏しく、満足な生活を送ることができない主人公。
当然、誰からも愛されず、自身も女性をを愛することを知らず、単なる性欲処理の相手でしかありません。
そんな主人公でも、職場で親しみを覚える友を得て好意を持つのですが、相手は高学歴で、中卒の主人公に対して、話を合わせたり金を貸したりはしますが、心を許すことはありません。
そんな相手を否定し馬鹿にしつつ、それでも数少ない友人であるため決別できない弱さ。
周囲は時とともに変化し、成長していくのに、自分だけ何ら成長もなく、いつまでも苦役で日当を稼いでその日暮らしを続けているという現実。
さて、本作で何に感動し、何を感じ、考えるべきなのでしょう。
親しみのない表記もところどころで見掛けますが、それでも読みにくいことはなく、堅苦しい内容でもないので読了できました。
私小説(わたくししょうせつ)というのをほとんど読んだことがありませんでしたが、こんな感じなのですね。
これが私小説なのかとは思いましたが、それで特別感動することはありませんでした。
芥川賞の選考委員が本作をどう評価したのか知りませんが、何かしら他の作品よりも優れた魅力があったのでしょう。
それが分からない自分の読解力のなさが悲しいです。
さいごに
本書で西村作品とお別れするならば、結局彼の良さを知らずに終わってしまうことになります。
なので、せめて図書館で読める分だけは読んでみようという思いになりました。
本書のキンドル版です。
著者が愛した藤澤清造の作品です。一度読んでみたいですね。
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