毎回本を読みメモした箇所を抜粋して掲載していますが、どれを抜粋すべきか悩むほどタメになる内容が満載の本です。
本書のご紹介
本書は、料理・レシピが小田真規子さん、監修が東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の濱裕宣さん、赤石定典さんとなっております。
どちらも存じ上げませんが、本書は美しい写真が多め、文は簡潔で読みやすく理解しやすいなど、料理の素人である私にはピッタリのものでした。
本書を読んで参考になった箇所
本書を読み、参考になると思ってメモした箇所を抜粋すると
○15分加熱後のビタミンC残存率~ニンジン15%(85%消失)、もやし10%(90%消失)、ピーマン79%(21%消失)、玉ねぎ3%(97%消失)、キャベツ3%(97%消失)
○ブロッコリー~茹でるよりレンチンした方が、ビタミンCの残存率は2倍以上になる(レンチンなら97%残存、茹でると44%残存)
○じゃがいも~皮には実の50倍のビタミンCが含まれている(皮は傷つけずに洗うこと)
▷皮には脂肪を溜まりにくくし、老化を防止するクロロゲン酸が豊富(皮の緑の部分や芽は取り除く)
○ピーマン~ワタには皮の10倍のポリフェノール、できるだけカットしない、油と一緒ならβカロチンの吸収力が10倍に、加熱しすぎるとビタミンB群やビタミンCが失われる
▷種とワタには血液サラサラ効果のピラジンが皮の10倍、ヘタにも皮と同様のβカロチンが含まれているので捨てない
○キャベツ~外側の葉は2~3枚で1日に必要なビタミンCが含まれているので、できるだけ熱は加えない
○かぼちゃ~レンチンがベスト、ワタには実の5倍のβカロチンが含まれているので種だけ取ってワタも食べる
○青魚~揚げるとEPAは消失、焼くとDHAは8割減、生ならEPA、DHAは100%ゲット、玉ねぎを食われるとグッド
○卵~生卵のタンパク質は51%以上が吸収されないので加熱は必須、ただし加熱し過ぎると抗菌作用のあるリゾチームや脳の老化を防止するレシチンが失活する
▷沸騰した1Lのお湯にコップ1杯の水を入れて65~70℃のお湯にして、卵を20~30分浸けるのがベスト(グツグツ沸騰させると栄養が減ってしまう)
○納豆~納豆は夜に食べると寝ている間に血圧上昇を防ぎ、睡眠中の疲労回復効果も
▷食べる20分前から常温に、玉ねぎやアボカドが相性いい、ご飯がアツアツだと酵母が死滅
○ししとう~種にはピラジン、ヘタにはビタミン、βカロチンがたっぷりなのでそのまま食べる、油で加熱するとβカロチンの吸収力が7倍になるが、10分以上加熱するとポリフェノールが変質する
○乾燥わかめ~水で10分戻すとヨウ素が90%消失、鉄分も5分で3分の1に減少
▷豆腐と混ぜれば豆腐の水分で戻り、ミネラル分の流出もない
○きのこ類~きのこの旨味のもとであるグアニル酸、グルタミン酸には生活習慣病予防や疲労回復に効果があるとされる、生ではほとんど活性化しないアミノ酸も冷凍後加熱することで完全活性化する
▷しめじは冷凍後加熱でグルタミン酸が2倍・えのきは6倍にアップ、なめこはアミノ酸が3倍に増え食感も良くなる
▷しいたけは加熱温度や時間が増加するにつれて抗酸化力が増加、100℃で30分加熱すると生と比較して19倍、抗酸化力は22倍も増加
という感じです。
かなり削っていますが、まだまだ役立つ情報が満載でした。
本書を読んだ感想
とにかく野菜や青魚などを食べていれば栄養がしっかりとれるものだと思っていましたが、加熱や調理の仕方で多くの栄養素が失われると知り、かなり驚きました。
下ごしらえでレンジを使うのは簡単である他に、野菜の栄養素を失わせないために大切なことなんですね。
また、皮もワタも食べた方が良いと理解できました。
何となく皮を向き、ワタも種と一緒に捨てていましたが、ずいぶんともったいない行為でした。
青魚に関しては、これまで安くて美味しいからとサバ缶をよく食べてきました。
もちろん体に良いとも思っていたのですが、加熱されているので実際の栄養素はどうなんでしょう。
DHAが豊富と謳われていますが、それって生の状態での話ってことだったんですか?
納豆も、これまでずっと朝に、冷蔵庫から取り出してすぐのものを、湯気が立つ熱々のご飯に乗せて食してきましたが、もっと良い食べ方があると知りました。
このように、多くの知識を本書から得られます。
ただ、本書の優れているのは、単にこういった情報を提供するだけでなく、実際にそれらの野菜を上手く使ったレシピが沢山掲載されていることです。
しかも、それほど手の込んだ品ではなく、ちょっと頑張ればできそうなレベルというのも助かります。
「ブロッコリーの茎ごとペペロンチーノ」「セロリの塩炒め」「丸ごとトウモロコシの炊き込みご飯」「にんにくんの味噌漬け」「ピーマンの丸ごとオイル煮」「ブロッコリーのフリッタータ」「皮付きじゃがいものコンフィ」「ロスなしピーマンの肉詰め」などはいずれ作ることになると思います。
さいごに
せっかくお高い野菜などを買ったのに、調理法を間違えて栄養素を50%どころか90%も失わせてはもったいないです。
自分で食べるにしても、家族に食べてもらうにしても、栄養の豊富なものが良いですし、その方が味も良いはずです。
本書の表紙にも「体は食べたものでできている!」とのコピーがありますが、まさにそのとおり。
あまり時間や手間が掛からない、美味しく栄養のあるレシピを本書から学んで実践してみてください。
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