【セミリタイア生活と読書】田中慎弥『共喰い』を読んで

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 芥川賞受賞作品です。

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本書のご紹介

本の写真

 本書の著者は田中慎弥さん。

 以前、当ブログでも『孤独論 逃げよ、生きよ』をご紹介しています。

 芥川賞だけでなく数々の賞を受賞されている方です。

 

 本書(単行本)です。

 

 こちらはキンドル版です。

 

本書を読んだ感想

 本書にはタイトルの『共喰い』と、もう一編『第三紀層の魚』が掲載されています。

 芥川賞受賞作である『共喰い』に関しては、主人公の遠馬(とおま)、父親、産みの母親である仁子、父親の再婚相手である琴子、遠馬の彼女である千種(ちぐさ)を軸に話が展開します。

 遠馬の母親である仁子は、夫(遠馬の父親)と別れたものの、すぐそばで暮らしています。
 別れた原因は夫の暴力。
 性交渉時に快楽を高めるために振るわれる暴力なのですが、その暴力は再婚相手である琴子にも向けられます。

 それを知る遠馬ですが、やがて自らも性交渉時、相手に暴力を振るうことに・・・。


 さて、タイトルの『共喰い』とは、結局、どうして付けられたのでしょう。

 共喰いするのは誰?
 多分、主人公の遠馬や父親なのでしょうが、どうなんでしょう?

 千草は遠馬とその父に喰われましたが、最終的に仁子を通して遠馬の父親を喰ったとも言えますかね。

 

 『第三紀層の魚』は特に何も感じませんでした。

 ほぼねたきりの曽祖父、介護する義理の娘(既にお婆さんですが)、さらにその義理の娘とその息子。
 それぞれ、大切な人を失いながらも残された者たちを気に掛け、面倒を見たりして暮らしています。

 釣りもこの作品では要となっていますね。

 色んな魚がいて、それを狙う釣り人がいて、良いポイントは力がある者が独占する。
 ただ、良いポイントに立てたとしても、狙った魚が掛かるとは限らないという現実。

 人生も大抵は思い通りにはいかず、ただ運命に流されるしかないのかもしれません。 

 戦争で負傷し、戦後は第三紀層の下にある過酷な環境の炭鉱で石炭を掘り、自由になる時間を釣りに捧げた曽祖父も運命に翻弄されたと言えるでしょう。

 これは他の登場人物でも同じですし、読んでいる私もそう。

 

さいごに

 今回、初めて田中慎弥さんの作品を読みました。

 ふだん、小説はあまり読まないのですが、それは読解力が無いからです。
 また、何だか疲れるんですよね。
 小説を読むには体力が必要ということでしょうか。

 著者は高校卒業後、多くの時間を読書に費やしたようですが、若い頃の読書って大切だと思います。
 私は若い時にほとんど本を読まなかったので後悔しています。

 とにかく読書を習慣づけたいですね。

 

 

 本書(単行本)です。

 

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