登山やハイキングを再開する前に、基本を勉強し直します。
本書のご紹介
本書の著者は、野口いづみさんです。
2014年出版の本ですが、本書の著者紹介の欄を見ると、日本登山医学界理事、日本山岳会理事などの肩書を持ってらっしゃいます。
海外の6000m級の山の他にも、マッターホルンやモンブラン、キリマンジャロなど憧れの山々を踏破されているとのことであり、医師としての医学的見地と登山家としての実績を併せ持つ方の本ですから役に立つこと間違いないでしょう。
本書を読んでメモした箇所
本書を読み、これは役に立つと思いメモした箇所の一部を列記すると
○耐風姿勢~風に向かってストックを突いて立ち、頭を下げ、身体をかがめる
○落雷対策~山頂、尾根などの高い場所から急いで避難する
▷テント内も危険
▷木の幹や枝先から4メートル以上離れ、木の頂点を45度以上の角度で見上げる範囲以内の位置で、身体を低く小さくして側撃を避ける(5メートル以下の木には保護範囲がないので注意!)
▷避難したら、両足を揃えてしゃがみ、指で耳をふさぐ(ストックやポールは地面に寝かせる)
○脱水予防~体重の2パーセント以下の脱水に留める
▷脱水量(ml)=体重(kg)×登山時間(h)×5ml
▷体重60kgの人が6時間の登山をすると1800mlを脱水する。60kgの2%は1200gなので、最低600mlの水分補給をする必要がある
○日焼け止め~SPFは30以上、PAは++以上のものにし、2時間おき程度にこまめに塗る
○低体温症~原因は低温・風・濡れ、濡れた衣類は空気の25倍の早さで熱を奪うので着替えさせる
○凍傷予防~手の甲に携帯用カイロを当てる、意識的に腕を振ったり指先を動かす、ビタミンEサプリ
○怪我の対処はRICES(ライシズ)処置~安静にする、冷やす、圧迫する、患部を挙上する、固定する
○靴ずれ~起きやすいところにん事前にテーピング、歩いて”当たる” 感触があればそこにも
○足のマメ~小さければそのまま、大きければ熱した針で突いてから、破れたら軟膏を塗ってから、それぞれガーゼとテープで覆う
○爪の下の内出血~痛むなら指先まで伸縮性テーピングで覆う
○道迷い~早めに来た道を引き返す、登れば生還・下れば遭難、暗くなったら早めにビバーク
▷腕時計の短針と12時との間が『南』
○ブヨに刺された~抗ヒスタミン軟膏か副腎皮質ホルモン軟膏を塗り、指で毒液を出す(ひっかかない)
○マダニに刺された~ワセリンやオイルを塗って窒息させて、マダニが落ちたら消毒、落ちなかったら病院へ(無理に取って口が残るとそこから炎症)
○入道雲は雷雨、ウロコ雲・スジ雲・レンズ雲・笠雲は天候悪化の可能性
といった感じです。
本書を読んだ感想
本書は「自然災害への対処」「トラブル回避」「体調トラブル」「怪我の応急処置」「病気の処置」「遭難・事故時の行動」「注意が必要な動植物」「出発前のトラブル回避」という項目毎に解説があり、登山をするならどれも知っておくべき内容でした。
写真やイラストも多く、テーピングや三角巾の使い方だったり、ザックで搬送用具を作って負傷者等を搬送する方法なども視覚的に分かりやすく、とても便利です。
個人的に、登山でいちばん怖いのは道迷いと落雷ですね。
いつもソロなので、周囲に誰もいない状況でトラブルが起きたら、すべて自力で何とかしなければなりません。
なので、マイナーな山に登る時は結構緊張します。
もちろん、誰にも気兼ねせず、好きなペースで自由に歩けるメリットがあるのですが。
本書自体がコンパクトなので、普段から繰り返し読むとともに、山行時も保険代わりにザックに入れておいたほうが良いかもしれません。
また、頭で覚えていても実践できなければ意味がないので、友人たちと試してみて会得しておきたいところです。
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