すごく薄い絵本なのですが、大人でもなにか得るものがあるでしょうか。
本書のご紹介
本書は文がルイズ・アームストロング氏、絵がビル・バッソ氏、訳と解説が筑紫哲也氏となっています。
文と絵を担当された両名は存じ上げませんが、筑紫さんのニュース23は観ていました。
本書(単行本)です。
本書の内容
本書の主人公は女の子のスージーと、読者の代わりでもある男のジョニーの2人。
ある時、ジョニーが砂浜で砂のお城を作っていると、あとからやってきたスージーがジョニーの直近で城を作り始めます。
当然、ジョニー(読者)はスージーにもっと離れた場所でやれと文句を言いますね。
でもスージーは同意しません。
というか、好戦的でこちらを威圧してきたりします。
こうして2人の間で争いが起きるのですが、これらの様子を実際の戦争に例えて解説がされていくのです。
「あっちへ行け」と言うのは「論争」、相手が言い返してきたら「紛争」に発展します。
スージーはさらに砂の城を作るシャベルを振りかざし、「警告」を発します。
ジョニー(読者)もシャベルを振りかざせば「武器による抑止力」を期待していることであり、実際にシャベルを投げたら「攻撃」、こちらも投げ返せば「報復」になるわけですね。
このようにスージーとジョニーの争いを通じて、戦争とはなにか、どう解決へと導くのかが説明されていくのです。
これを読めばロシアの民族性が分かるのかもしれません。未読ですが・・・
本書を読んだ感想
本文だけなら5分、筑紫さんの解説を含めても10分で読み終えることができます。
とにかくシンプルなので、後は読者がどれだけ深い意味を見出すことができるか、読者の思考力が問われる内容だと思いました。
私の場合は、「まあ、紛争や同盟国の加勢、調停、武装解除などがどういうものか子どもでも分かりやすく説明されているな」とは感じたものの、何か新しい知識を得た気はせず、特別な感情もわきませんでした。
現在、ロシアによるウクライナ侵攻が続いていますが、本書の場合は中立国によるシャトル外交が展開され、双方に魅力的な和解提案が出され、武装解除へとつながって・・・となるのですが、果たして現実はいかがでしょうか。
さいごに
本書に1600円+税の価値があるかは疑問ですが、戦争がどう起きて終息するのかなど、子どもには理解しやすい内容だと思います。
リアルタイムで紛争が起きている今こそ、私を含めて平和ボケと言われている日本人が戦争や平和について考え直さなくてはならないはずです。
個人的人は本当に世界は危ういバランスで保たれており、すぐに大きく傾くのだなという恐怖を感じています。
そして平和であることの大切さやありがたさを強く感じています。
本書(単行本)です。
こちらも同じコンビで、簡単に経済が分かるとの評判の本だそうです。
その続編です。
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