文庫版『深夜特急』の第2巻です。
本書のご紹介
前回、第1巻である『深夜特急1 香港・マカオ』を読み、感想を記しましたが、第2巻の舞台はマレー半島とシンガポールです。
タイやマレーシアは日本でもらう年金だけでも余裕がある生活が送れると人気ですし、シンガポールも金融、観光大国としてアジアのトップレベルの国ですね。
当時がどうだったのか楽しみです。
本書です。
第1巻を読んだら第6巻まで読むことになると思うので、セットで買っていいかもしれません。
本書を読んだ感想
富める国というイメージがある日本からはるばる旅行に来ている訳ですから、本書の主人公は今回もボッタクリや押し売りなどに何度も遭遇します。
そこで敢えてヨレヨレの服を着たりしてヒッピー風になったり、「金はない」を連呼したりするわけですが、中には本当の親切心で接してくれる人もいて、主人公は金がないと言うことで人々の親切を期待していたのではないかと反省します。
私自身も「金がない」「株価が下がってもう駄目かも」とブログで書いていますが、読んでいる人からすれば「セミリタイアできるくらいの金は貯めてるだろうが」と思われているのでしょうね。
セミリタイアブログを読んでいると、応援するコメントがある一方で、批判や非難するコメントも多いようです。
よく耐えられるなと感心しますが、私の場合は打たれ弱いので、できれば応援コメントのみでお願いします。
本巻では主人公のテンションが今ひとつ盛り上がりません。
前巻で訪れた香港でのインパクトが強過ぎて、それと本巻で訪れた国々とを比較し、同じ刺激を求めていたからでした。
もちろん、安い連れ込み宿での宿泊や現地の食事、観光名所への訪問などにより貴重で面白い経験はしますし、優しく明るく親切な人とも多く出会うのですが、十分な満足感は得られなかったようでした。
そんな中、主人公はどうして旅に出たのか、さかのぼってどうして初日で就職先を辞めてしまったのか、どうしてその後に始めた物書きの仕事までも放り出したのかを自問します。
結局主人公は、それらの理由として、自分の道が決まってしまうことからの回避と結論づけたようです。
モラトリアムやアイデンティティ拡散症候群という言葉が頭に浮かびましたが、それに似た感じでしょうか。
ということで、マレー半島・シンガポール編は、熱狂した香港と比較したが故に得られるべき感動が得られない旅となってしまいました。
そのためか、読んだ私も何だか心が満たされない感じを覚えました。
おわりに
次巻はインド・ネパール編です。
もちろん行ったことはないのですが、インドには何か「強烈なもの」があって、旅行者を何度も引き寄せたり、逆に完全に拒まれたりというイメージがあります。
どんな強烈な旅が繰り広げられるのか楽しみです。
本書です。
第1巻から第6巻までのセットです。
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