【アーリーリタイヤ】『れんげ草(群ようこ)』を読んだ感想

今回紹介するのは、群ようこさんのれんげ荘シリーズ第一弾である『れんげ荘』です。

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『れんげ荘』のあらすじ

 アマゾンでは

  月十万円で、心穏やかに楽しく暮らそう! ―――キョウコは、お愛想と夜更かしの日々から解放されるため、
 有名広告代理店を四十五歳で早期退職し、都内のふるい安アパート「れんげ荘」に引っ越した。そこには、
 六十歳すぎのおしゃれなクマガイさん、職業“旅人”という外国人好きのコナツさん・・・・・・と個性豊かな
 人々が暮らしていた。不便さと闘いながら、鳥の声や草の匂いを知り、丁寧に入れたお茶を飲む贅沢さを知る。
 ささやかな幸せを求める女性を描く長編小説。

と紹介されています。
 私のようなセミリタイアではなく、完全リタイヤした女性の物語ですね。

 ただ、巨万の富を気付いてのリタイヤではなく、サラリーマン時代に貯めたお金を切り崩していきながら
無駄な出費はせず、かといって必要以上に切り詰めず、食事や日用品などには一定のお金を割くという
私にも参考となる暮らしぶりが描かれています。

キョウコの資産額は?

 主人公であるキョウコは、45歳でサラリーマン生活に終止符を打ち、完全リタイヤ生活に突入しますが
彼女の計算では、月に10万円ずつ崩していくのであれば80歳過ぎまで持ちこたえると計算しています。

 月10万円で年間120万円。
 85歳まで生きるとして残りの人生が40年。
 そうなると、120×40で4800.
 つまりリタイヤ前に約5000万円ほど貯めていた計算となります。

5000万円で40年間逃げ切れる?

 セミリタイアや完全リタイヤを計画する場合、やはり悩むのが「いくらあれば大丈夫なのか」という
ことではないでしょうか。

 もちろん、仕事を続けると心と身体が駄目になるという人は、お金のことは後回しにしてでも
仕事を辞めて自分の命を守るべきです。

 一方、家庭をもっていて子どもたちを大学まで行かせたいなどと考えている人で、十分な資産を
築いていないは仕事を続けるべきでしょう。

 主人公のキョウコは独身であり、もう結婚願望もなさそうですから自分1人だけの生活を基準として
将来を計算できます。

 また、母親や兄がいますが、亡き父がある程度の資産を残しているようであり、母親は健康で
兄も会社勤めの立派な社会人であることから、仮に母親が要介護の状態になっても手出しの必要性は
少ないと思われます。

 会社員時代のキョウコはある程度散財していたようですが、仕事を辞めてからは倹約に努めている
ようですので、月に10万円(家賃を差し引くと7万円)でもなんとかやっていける気がします。

 なお、キョウコがお金を引き出す際に、切り崩されて貯金額が減っていくことに不安を感じるシーンが
ありますが、これは激しく同意します。

 私も仕事を辞める前に、セミリタイアした人たちのブログなどをみて、幾らあれば大丈夫なのかと
調べましたし、逃げ切り計算機を使って何度もシミュレーションしました。

 こうして調べた結果、やはり5000万円はあった方が良い気がします。
 もちろん、この額については私個人の見解であり、1億円でも足りないと思う人もいるでしょう。

 一方、例えばブログなどで収益がある程度見込めたり、せどりや他の副業で稼げるという人であれば
2000万円でも、1000万円の資産でもセミリタイアが可能かもしれません。

 ただ、渡しの場合もですが、キョウコのように例え5000万円持っていたとしても、働いていない以上
資産が増えることはなく、減っていくだけですし、それが尽きたら終わりを意味するのですから
それが減っていくのは不安どころか恐怖に近いですね。

安アパートで大丈夫?

 キョウコが住んでいるのは東京都内だと思いますが、3万円のアパートはかなりボロボロのようです。

 梅雨の時期はカビで真っ黒になり、夏は暑くで蚊の襲来が激しく、冬はスキマ風がひどくストーブ2台使いで
なんとか耐えている様子などが描かれています。

 安アパートだとこういった物件がまだ存在しているかもしれませんが、田舎であれば同じ家賃でもっと良い
住まいを借りることは十分可能でしょう。

 また、あまりに安過ぎるアパートだと程度の低い隣人たちに悩まされる可能性も大きくなると思いますが、
これは運を天に任せるしかないですし、問題があればすぐに引っ越せる身の軽さが必要だと思います。

 なお、ミクさんのように、安い一軒家(150万円)を買う手もあります。

読んだ感想

 視力も気力も衰えてきたため、なかなか小説は読まなくなったのですが、この『れんげ荘』は楽しめました。
 主人公のキョウコが私と同じく、まだまだ働けるのに良い仕事を辞めて(捨てて)新しい生活を始めているので
親近感が持てました。

 また、仕事を辞めることの不安や辞めたことを家族に伝える際の苦悩も同じ感じでした。

 仕事を辞める事自体は簡単にできます。
 自分が決断すればいいだけですから。

 しかし、辞めてセミリタイヤ生活に入ることを親などに伝えるときはかなり緊張しました。
 キョウコも元々母親との折り合いがかなり悪い上に、こちらから伝える前に母親にバレてしまったことで
さらに関係が悪化してしまいました。

 私の親も昔気質の人で、定年を迎えたあともしばらく同じ会社に勤め続けるほど仕事熱心な人でしたから、
セミリタイアという言葉や生活スタイルがピンとこないでしょうし、キョウコの母親と同様、今でも仕事に
戻ることを望んでいるようです。

 『れんげ荘』では仕事を辞めて貯金を切り崩していく生活を始めたことへの不安、母親との衝突の他
さまざまな事情を抱えた隣人たちとの交流などが描かれていますが、このシリーズは現在のところ
5作品刊行されているようです。

 その内、通っている図書館には最新作を除く4作品が置かれていましので、全部読もうと思います。 
 そして学びや感じたことがあればこのブログで紹介していくつもりです。

 

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