図書館で何を読もうかと探していたところ、ちょうど本書が目に留まりましたので読んでみることにしました。
本書の紹介
本書は元・陸上自衛隊3等陸佐の久保光敏さんと起業支援メンターの松尾喬さんによるものです。
サブタイトルは『日本最強の組織はこうしてくつられる!』、コピーは『有事にもびくともしないその規律と使命感はどこから生まれるのか』となっています。
本書を読んでメモしたところ
本書を読んで、メモしたところを列記すると
○「正早安楽」 正=ミスの最小化、早=仕事のスピードアップ化、安=コストダウン化と安全化、楽=もっと楽にできないか・楽しくできないかの工夫
○特に「正」は「 正早安楽 」の土台となる部分で、最重要で最優先される
○「広くを視よ、遠くを視よ」 先ず広く浅く全体を視て、次に狭く深く視るようにする
○物的コストだけでなく、人的コストや時間的コストにも目を向ける
○行き詰まったら、なんでもいいからまず動く。何もせずに動きが止まってしまうと、リセットして動き出すのに時間と労力がかかる
○絶対に完全停止は避ける。良いか悪いか、効果があるかないかは考えずに、頭に浮かんだこと、目にしたことをとにかくやってみる
○小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に
○「優先順位」が立てにくければ、後回しにしても影響の少ないものの「劣後順位」を考える
○業務の達成時間を設定するとともに「時間見積もり」を決めてから仕事のスタートを切れば、自己管理により無駄のない確実な業務遂行ができる
○「5S (整理、整頓、清掃、清潔、躾)」と「3定 (定位、定品、定量)」
○目標を諦めたりしないよう「必成目標」と「望成目標」を設定する
○「必成目標」とは最低限これだけはやり遂げたいという最小目標、「望成目標」はあわよくばここまで成し遂げたいという最大目標のこと
○「先制主導」 先制とは敵に対して先手をとること、主導とは自分のペースで戦うこと
○いまのスキルのままで通用するか、自分に不足している力は何か、現状分析をして、足りない部分が明確になったら、それを補うための自己投資をすぐに始める
○動くことこそ、すべてを解決する原点となる
○情報は解明してこそ価値がある
○個人が発する情報、自然が発する情報は、無視や軽視をすることなく素直に受け止めて、即座に手を打たなければならない
○人は行動して得た情報で物事を客観的に判断するよりも、以前の経験などで形づくられた主観によるバイアスを掛けて判断しがちで、これはいつか大きなトラブルを引き起こす原因になる
○「聞く」を「聴く」にすることで「効く」となる
○制限の中にも自由にできる範囲があり、その自由な時間や空間、物を工夫する楽しみがある
○自責追求とは、失敗や不調を自分の責任として捉え返して反省して、改善の方法を考えること
○「先送り」の最大の問題点は、先送りしている時間が浪費されて、課題に対する解決策の選択肢が刻々と少なくなっていくこと
○失敗することへの恐れで動かないことが、実は自分に最もダメージを与える
○いつ始めても遅いということはない。いつやり直しても、やり直せないというものでもない。まずはやってみること。死ぬこと以外はカスリ傷
○「人・物・金・時間・場所」の基盤をつくれ
といった感じです。
感想
自衛隊独特の用語がたまに出てきたりしますが、著されている内容は一般の自己啓発的なものと、部下に対する上司の心構え、指導法についてだと感じました。
上記メモにはありませんが、本書の最後は上司や指導者としていかに部下を育て上げるかに触れられており、部下を抱えている人にとっては有益かもしれません。
ただ、自衛隊ならではというインパクトのある仕事術の解説は少ない気がします。
停滞させず部下を動かす、自らも動く、ミスは最小限に抑えて最大限の効率、結果を求めるなど、普通のビジネス本にもよく書かれている内容も多かったです。
ただ、その徹底ぶりの凄さこそ自衛隊ならではなのでしょう。
「 正早安楽 」、「 劣後順位 」、 「必成目標」、「望成目標」などの言葉は初耳でしたが、知っておいて損は無いですし、活用すべきだと思います。
そして、 「 情報は解明してこそ価値がある 」という文も大切だと感じました。
「必成目標」や「望成目標」という言葉を知り、覚えただけでは意味がありません。
それぞれの内容をしっかりと理解して、自分のものへと消化し、活用できてこそ学びとなりますから。
とりあえず本書の感想ですが、もう少し、自衛隊独自の教育スタイル、仕事スタイルが深堀りされていれば面白かった気がします。
機密上の問題で支障のない一般的な表現しかできなかったのかもしれませんが。
コメント